ねぇ、ちゃんと聞いて【青】

#11 ページ11

渡『（人1）さん好きな人いないの？』






私の追い付かない心情など無視して、次々に送られてくる渡辺くんからのメッセージ。







‘’あなたです‘’

…とは言える訳がない。







『ん〜、いないかな』






渡『マジ？じゃあ気になる人は？』







どう違うんだろう…と思いつつ、


‘’私は渡辺くんの事が気になってます。もっと色々知りたいです‘’



…とはやっぱり送れない。







『いないんだよねぇ』






渡『マジか。まぁ…焦って作るもんでもないしな』






…あ、

もしかしてこれは気を使わせてしまっている感じ？






よく分からないけど、ここは嘘でも何でも‘’気になる人‘’を作らなきゃいけない流れだと悟った私。






お互いに協力し合う方が、渡辺くんも気を使わずに久美の事を聞きやすいって事なんだろうな、きっと。








…気になる人かぁ、、


考えた事もなかったな、、






自分の為にも渡辺くん以外の人を、早く見つけなきゃだ…





傷は浅いうちの方が良いもんね。







『気になる人できたら私もちゃんと渡辺くんに協力してもらうから、その時はよろしくね、笑』






気まずさを避ける為に、心にもない事を送るしかない。







渡『おう！そん時は全力で協力するわ！笑』









あぁ…


全力で協力してくれるんだね、、、








切なくてほろ苦い気持ちのまま、この日は眠りについた。






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翌日





目覚めた時は、昨日の出来事を思い出して何だか特別な気分になった。






好きな人ができた朝は、こんなにも学校に行くのが楽しみなんだ。






ただし、すでに片思いが確定しているので複雑だけど。








しかし今日も、いつどこで渡辺くんに会うかわからない。







そう考えるといつもより念入りに髪をとかし、長めに鏡を見たりしている自分がいた。

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