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急にピタッと立ち止まった渡辺くんの背中に、思わず直撃する。
「いたっ、ビックリしたぁ」
…急に止まらないでよ。
振り返った渡辺くんがジロッと私を見下ろす。
渡「別にさ、あんなん言わせときゃいいじゃん」
「え?」
渡「彼女?とか意味深〜とか」
「だって…困るのは渡辺くんでしょ?」
渡「なんで?」
「なんでって…、、変な噂とか広まって久美に誤解されたら嫌でしょう?」
渡「……(人1)さんもさっき、ふっかに誤解されないように必死だったもんね」
「な…っ!別に全然必死とかじゃないけどっ…!」
あれはあくまでも渡辺くんの為に否定しただけなのに。
だけどそうか…
渡辺くんは私が辰哉を好きだと思い込んでいる。
2人でいる所を誤解されて困るのは、お互い様って事なのか。
なんだか気まずい空気が流れたところに、本鈴のチャイムが鳴る。
渡辺くんはそのまま振り返りもせずに、「じゃ」と言って教室に姿を消してしまった。
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その日の帰りは久しぶりに久美と一緒だった。
並んで駅までの道を歩いていた時、「そうだ、明日一緒にカフェ行かない?」と誘われた。
「行く!久しぶりだなぁ」
久「私もだよ。…でね、ついに先輩に連絡先を聞く決意が固まって、明日実行に移したくて」
「えっ…!」
いつもサバサバしてる久美だけど、宮舘先輩絡みになると別人みたいにモジモジする傾向がある。
それが可愛くて、彼女のギャップでもあって。
私はそんな久美も大好きだ。
久「一人で行くのは勇気がいるから…Aに着いてきて欲しいんだよね。…もちろん、聞く時はちゃんと自分で聞くよ?だけど、Aに見届けでもらえたらもっと頑張れそうだなぁって」
そんなの、イエスに決まってる。
「もちろんだよ…!明日かぁ…、なんか私までドキドキしてきちゃった」
久「私緊張しすぎて今日眠れないかも!笑」
そう話す久美の横顔は本当にキラキラしていて眩しくて。
先程の屋上での渡辺くんに通ずる物を感じた。
こうして久美の頑張りに喜びを感じる一方で、この事実を知らない渡辺くんに再び罪悪感を感じる。
ましてやさっきまで「久美に誤解されないように」なんて気遣いまでして罪を上乗せしているんだ。
はぁ…
もうどうしたら良いんだろう、、、
大切な人たちを、
ただ大切にしたいだけなのにな…
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R(プロフ) - なおさん» 何度も読んで頂き嬉しいです🥺こちらこそありがとうございます! (8月17日 22時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 初めまして!このしょっぴーと主人公ちゃんが大好きですー💕実は何度も読み返していて😊今日もきゅんきゅんさせて頂きました♥️ありがとうございます!続きもまた読みます💙 (8月17日 16時) (レス) @page50 id: 61924ce533 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - みみみさん» 嬉しすぎます!ありがとうございます🥺✨ (2023年4月5日 20時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - 素敵すぎです!あー、しょっぴーに惚れてしまった♡ (2023年4月5日 13時) (レス) @page50 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - ピカンチ★さん» この作品を見つけて下さりありがとうございます🥺💙ハニレモ良いですね☺️🍋お時間がある際に良かったら番外編も覗いて下さると嬉しいです🥺💙 (2022年6月25日 19時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:R | 作成日時:2022年5月22日 14時