ルシエルブルー3《S.Watanabe》

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あの資料を見てしまった数日後、

実習最後の打ち合わせも終わり、無事に私たちの作品も
世に放つことができた。

スタッフの人たちもとても褒めてくれて、
働いてほしいくらいだと言ってくれた。


でも私は、霧島ホールディングスで働くことはないかな。




結局、あれから翔太との休みが全然合わない。
いや…合わせてくれてないのかも。

休みがあっても私が学校の日だったり
夜は出かけちゃったり早く寝ちゃったり。



「菜月はさ……」


菜「んー？」



目の前で大きなパフェを幸せそうに食べている菜月。

久々に2人で帰りに可愛らしいカフェに寄り道した。




「もし、ラウちゃんがダンス極めるって言ってアメリカとか行くって言ったら、どうする？」


菜「何それ？笑 私は行けって言うかなー、分かんないけど」


「もしそれが3年会えないとかだったら？」


菜「えー？それでも行けって言う。
ダンス頑張ってきたの知ってるし。夢追いかけたいなら、私のせいでなくされるの嫌だし。」


「そっかぁ」


菜「ま、実際なってみたら嫌だーって騒ぐかもしんないけどね？うわ、このクリームうまっ」


「それが、自分に知らされてなくてそれを断ってたってあとから知ったら…どうする？」


菜「さっきからその質問なに？笑
美容師さんと何かあったの？」


「あ、いや、そういうわけじゃ…」


菜「私ならね？私個人の話だよ、間に合うなら行けって言う。行かないって決めてたとしても。私といることが理由じゃないにしても。だって、誰かがその話してたとか、何かを見た、とかなら1ミクロンくらいはちょっと行きたいって思ってるかもしれないじゃん」




…たしかに。

聞いたのは怜美さんからだけど
世の中の美容師が誰もが憧れるって言ってた。

資料も、家の中にあった。
行かないなら家の中に持ち込んだりしないで捨てればいい。



「私、覚悟決められないよー…」


菜「何、誰かアメリカ行くの？」


「…ロンドン」


菜「やっぱりね〜」


「あ、」




私の話じゃないていだったの忘れてた。




菜「いつから？」


「半年後、3年間」


菜「それを知らないうちに断ってたってことね？」


「…実は霧島ホールディングスの怜美さんと繋がりがあるっぽくて。翔太と付き合ってることバレたし、そのせいで翔太がロンドン行かないって言ったと思ってる」


菜「えぇ？怜美さんと？え？あのとき私の家来たりとか元気ないのってそういうこと？」

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