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それから、俺はなるべくAさんに話しかけた。
仕事の事で質問があれば、まずAさん。
それ以外にもタイミングがあれば、何かしら話しかけるようにした。
飯は、2人きりというのはハードルが高くて、まずは康二と3人で。
たまにふっかさんとかしょっぴーも。
そんな感じで週に3回程は誘った。
約二週間という中で出来る事は限られて、その程度しか頑張れなかった。
深「いよいよ明日だな...」
向「例の阿部さんですか?」
深「そう。何か変に緊張すんだけど。」
岩「何でふっかが緊張すんだよ(笑)」
深「だってさぁ...まぁでも、本当に良い奴だから、阿部ちゃんは。だから、普通に仲良くはなれるはずだよ。」
渡「いや、阿部ちゃんと仲良くなってもな...てか、Aは知ってんの?明日阿部ちゃん帰ってくるって。」
深「急遽決まったみたいだからね。掲示板にも貼り出されてなかったから、知らないかも。」
佐「うわっ!じゃあ何も知らないまま再会すんの?!ドラマっぽーい!」
岩「佐久間、うるさい。」
深「とにかく、2人の気持ちは分かんないけど、めめは今まで通りアプローチして。今はめめの方がAに近いんだから、大丈夫。」
目「...はい。」
向「俺らもおるしな!」
目「ありがとう。」
そして翌日。
出勤すると、社内では阿部さんの話題で持ちきりだった。
「海外事業部の阿部さん、今日からこっち戻るらしいよ!」
「あの超絶シゴデキイケメンの?!」
「海外でも優秀で、こっち戻るの引き止められてたって!」
「噂では、海外大手からヘッドハンティングされたとか...」
「間もなく部長っていう噂もあるよね?」
「だとしたら最年少じゃない?!」
「恋人いるのかなぁ。」
「いなくてもウチらじゃ無理でしょ(笑)」
「...それもそっか(笑)」
こんだけあちこちで阿部さんの話題が出てれば、きっとAさんの耳にも入ってるはず。
Aさん、どう思ってるんだろ。
『おはよ!めめくん!今日も頑張ろうね!』
目「っ!お、はよう、ございます。」
『ん?どうした?』
目「あ、いえ!何でも無いです!今日も頑張りましょう!」
『ふふっ、うん!』
びっくりした...
でも、この感じいつも通り...?
何とも思ってない、のかな。
俺は暫くAさんから目が離せなかった。
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作者名:ちり | 作成日時:2023年11月17日 19時