彼女まで〇センチ (ページ17)

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最初は驚きつつも、少しずつ俺に話してくれた。

『知ってたの？』

目｢実は、阿部さんが来る二週間程前にふっかさん達から...｣

『そう、だったんだ...うん、亮平とは1年くらいかな、付き合ってた。』

目｢阿部さんの海外転勤がきっかけで別れたっていうのは...？｣

『それも本当。国内ならね、何とか時間作れば会いにいけるし来れるけど、さすがに海外はね...(笑)簡単に会いに行けないし、遠すぎた(笑)』

目｢そう、ですよね...｣

『それに、亮平の邪魔はしたくなかったから。』

目｢...邪魔？｣

『うん...亮平は、同期の中でもズバ抜けて仕事が出来て、周りから期待もされてたの。将来は幹部候補だなーなんて上司からも言われてて。亮平自身も出世する事を望んでいたから、海外転勤の話も二つ返事で了承して...私には、相談してもくれなかった(笑)』

目｢...｣

『最初は、何で相談してくれなかったの？！ってムカついたし、私の事はどうでもいいの？って落ち込んだけど、亮平のしたい事の為に私が邪魔になるなら離れようって...もちろん、亮平はそんな事言わなかったよ？｢きっと海外の遠距離はAに寂しい思いをさせてしまう。いつ戻れるかも、本当に戻ってこれるかも分からない。そんな自分にAを縛り付けておく事は出来ない。だから別れよう。｣って。』

目｢...｣

『それが本心だったのかは分かんないけど、ここで亮平に縋っても困らせるだけだし着いていく事だって出来ない。私も、今の仕事も会社も好きだし、まだここで働きたいって思った。本当はまだ好きだけど、離れるなんて嫌だけど、お互いの為にはこうするのが正解だって思い込ませて別れたの。』

目｢そう、だったんですね。｣

『別れてから暫くは辛くてさぁ(笑)ふっかとか、翔太とか巻き込んで愚痴聞いて貰って慰めてもらって(笑)同期のおかげで無事、立ち直れました！(笑)』

目｢...すみません、辛い話させちゃって。｣

『いいのいいの！今はもう平気だし、何とも思ってないから！』

目｢...まだ阿部さんに気持ちがあったり、また好きになったりとかは...｣

『あー(笑)どうだろうね(笑)絶対ない！とは言いきれないな。今は別に吹っ切れてるけど、また好きになるかどうかは私にも分かんない(笑)』

目｢そうですよね...すみません、変な事聞いてしまって。｣

『んーん！てか、めめくんと恋バナなんて初めてだね！これからもしようね！恋バナ♡』

目｢あ、はは...｣

俺は曖昧な返事しかできなかった。