彼女まで〇センチ (ページ21)

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向｢めめ、大丈夫？何か阿部さんに言われてへんかった？｣

隣で聞いてた康二が心配して聞いてきた。

目｢あ、うん。大丈夫。｣

向｢何て言われたん？｣

目｢いや、よく分かんないけど、"めめに負けないから"って言われた。｣

向｢えっ？！それって、やっぱり阿部さんもAさんの事好きなんちゃう？！ほんで、めめもAさんの事好きって知ってるんちゃうん？！｣

目｢え、そういう事？｣

向｢そうやろ。じゃないとそんなん言わんやん。うわー、マジか。めめ！頑張ろ！俺本気で応援する！｣

目｢う、うん。ありがと...｣

やっぱり阿部さん、まだAさんの事好きなんだ...

あれは、宣戦布告って事？

いやいやいや。どう考えても俺に勝ち目無くねぇか？

数分前まで頑張ろうと思っていた気持ちが、一瞬にして砕けてしまった。

『めめくん？』

目｢...えっ？！｣

先程までの阿部さんとのやり取りを、ぼーっとして考えていたら、目の前にAさんの顔があってビックリした。

『あ、ごめんごめん(笑)何か元気無いような気がしたから。酔った？気持ち悪い？』

目｢あ、いえ、全然大丈夫です。元気ですし、酔ってません。｣

『そう？気分悪くなったらちゃんと言うんだよ？』

目｢はい。...というか、むしろAさんの方が酔ってません？顔真っ赤ですよ？｣

『あはっ、酔ってませ〜ん♪まだまだ飲めます♪』

目｢えぇ...もう止めといたら？飲み過ぎると明日ツラいですよ？｣

『だーいじょーぶ！明日休みだもん。』

目｢"もん"って...可愛い。｣

『んー？何ー？』

目｢何でも無いです。｣

飲み始めてそんな経ってないのに、Aさんはいつもより早めに酔ったみたいだった。

今まで何回か一緒に飲んだ事あったけど、いつもほろ酔い程度で、ここまで酔っ払ってる姿は見た事無かった。

初めて見た酔っ払いのAさんは、フワフワしてて少し喋り方も緩くて、何か可愛い。

思わず可愛いと言ってしまったけど、本人には聞こえて無かったみたいで安心した。

...ていうか、近くない？

さっきからAさんとの距離が近い気がする。

酔ってるから距離感とか分かんなくなってるのかな。

まぁ、俺的には嬉しいけど。

もちろん俺からは触れたり近付いたりしないように気を付けて過ごした。

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