彼女まで〇センチ (ページ28)

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あの後、ふっかさんに理由を聞いても全然教えてくれなくて、ただ｢まだ諦めるな｣｢もう少しだけ待って｣としか言ってくれなかった。

康二やふっかさんにはあんな事言ったけど、正直まだ好きなままで、気持ち切り替えるには時間がかかりそうだったから、ふっかさんの言葉に少し助けられた。

ただ、諦めずにもう少し待てと言われても、阿部さんとAさんが2人でいるところを見てしまうとやっぱりツラい。

その度に、ふっかさんは何であんな事言ったのか気になってしまう。

そんなモヤモヤを抱えながら仕事をしていた、ある日の午後。

『あ、あの、めめくん。』

目｢え？｣

『あのね、今週の土曜日か日曜日って予定ある？』

目｢え、｣

『あの、映画のチケット貰ったんだけど、もし良かったら、一緒に行かないかなって...』

目｢...えっ？！｣

『わっ！』

目｢あ、すみません、おっきな声出しちゃって...｣

『う、ううん、大丈夫。ちょっとびっくりしただけ(笑)』

目｢あ、えっと、どちらも空いてるので、Aさんの良い方で大丈夫です。｣

『あ、ホント？良かった...じゃあ、土曜日でもいいかな？』

目｢あ、はい。｣

『ありがとう。時間とかは後でLINEするね。』

目｢あ、はい。分かりました。｣

え、Aさんが誘ってくれた？

まじ？

何で？

めちゃくちゃ嬉しいのに、何で俺なのか分かんなくて、暫くボーッとしてたら課長に怒られた...

.

深｢ねぇ｣

『あ、ふっか』

深｢これあげる♪｣

『何これ...映画のチケット？』

深｢俺貰ったんだけど、行く暇無いんだよねぇ。勿体ないから貰ってくんない？｣

『え、何で私？』

深｢これ使って、めめとデートしてきなよ。｣

『は？』

深｢チャンスだよ？あと、めめ何か誤解してる。｣

『誤解って？』

深｢Aと阿部ちゃんが復縁したって(笑)｣

『何で？！』

深｢さぁ〜？でも、ちょっと寂しそうだったよ？(笑)｣

『え...』

深｢だから、デートでもしてもっと仲良くなりなよ。なんならそのまま告白しちゃえば？(笑)｣

『い、いやいやいや！！それは、まだ、出来ない...てか、めめくん好きな人いるって言ってたもん。』

深｢でも恋人じゃないんでしょ？｣

『それは、まぁ...』

深｢ならまだAにもチャンスあるでしょ？｣

『うぅ...』

深｢ほい！頑張って誘え！｣

『...あい。』

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