彼女まで〇センチ (ページ30)

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目｢俺が買います。てか、買わせて下さい。｣

『え？！ダ、ダメだよ！私が欲しくて買うんだもん！』

目｢でも俺も欲しくなっちゃったし。せっかくのお揃いだし、俺が買いたいんで。ね？｣

『う...そんな顔されたら、断れないじゃん。』

目｢ふふっ、じゃあ、はい。貸して下さい。｣

『ありがとう...』

目｢あはっ(笑)悔しそう(笑)｣

『何か、今日のめめくんいつもと違う。』

目｢そうですか？｣

『会社だと大人しくて、控えめな印象なのに。今は何か、ズルい...』

目｢ふはっ、ズルいって何？(笑)とりあえず会計してきます。｣

『ありがとうございます。』

楽しい(笑)

入社した頃からAさんは他の人より話しやすいと思ってたけど、休日に、しかも2人でいると、より話しやすくて、時々タメ口になってしまう。

もしもAさんと付き合えたら、毎日こんなに楽しいのかな、なんて妄想してしまうくらいに、すっかり阿部さんの事は頭から抜け落ちていたようだ。

目｢お待たせしました。はい、どうぞ。｣

『あ、ありがとう！ごめんね？結局払って貰っちゃって...』

目｢俺が買いたくて買ったんで。早速付けていいですか？｣

『もちろん！私も付ける！...やっぱ可愛い！』

目｢ふはっ、相当お気に入りですね(笑)｣

『当たり前だよ！元々可愛かったけど、めめくんが買ってくれたから尚更お気に入りになっちゃった♪』

目｢っ、それは、嬉しいです。｣

『ふふっ、お揃い、嬉しいなぁ♪』

目｢あ、あの、｣

『んー？』

目｢今更なんですけど、俺とお揃いとか、良いんですか？｣

『え？何で？』

目｢いや、だって、阿部さんが...｣

『亮平？...あっ！ねぇ、違うからね！？』

目｢え？！え？！｣

『私、亮平と復縁なんかしてないから！』

目｢え？！そうなんですか？！｣

『そうだよ！もー、何でそう思ったのか謎なんだけど！』

目｢なんだ...そっか...｣

どうやら阿部さんと復縁したというのは、俺の勘違いだったらしい。

Aさんは"亮平とはもう終わってるのに！"と、プリプリ怒ってて、何か可愛い(笑)

目｢ふはっ、可愛い(笑)｣

『ちょ、もう！絶対バカにしてるでしょ！』

目｢ふふっ、してません(笑)本当に可愛いなって思って(笑)｣

『...それはそれで、何か照れるんだけど。』

目｢ふふっ、そろそろ時間なんで、映画行きますか？｣

『行きます！』

目｢ふはっ(笑)｣

まだ少し不機嫌なAさんと映画館へ向かった。

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