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『え、今私何て言った？』
目｢えっと...これは見せらんない、取られちゃう？｣
『っ！ちがっ、いや、違わないけど、あの、そうじゃなくて...』
目｢？｣
『あー、もう、ダメだ...』
目｢Aさん？｣
『ねぇ、めめくん』
目｢はい？｣
『あのさ、眼鏡と前髪、そのままでいて欲しい。』
目｢？はい。｣
『あ、決してかっこ悪いとか、そういうんじゃないから！誤解しないでね？！』
目｢ふふっ、はい(笑)｣
『もー、あの顔は反則だよ...』
目｢？｣
『ねぇ、本当に彼女いないの？』
目｢？いませんよ？｣
『...そっか。』
目｢？｣
俺の顔を見たAさんは急に様子がおかしくなった。
途中、取られちゃうとか言ってたけど、どうした？
でも、とりあえず変な顔だと思ってないようだったから、安心した。
それから暫くして居酒屋を出た。
帰りはAさんを家まで送って行った。
『めめくん、さっきはごめんね？何か、色々取り乱しちゃって...』
目｢いえ、大丈夫です。というか、眼鏡外した顔見られたの、康二以外にAさんだけです。｣
『そうなの？！』
目｢はい。まぁ、外す機会もなかったし、そもそも友達もほぼいないので、見せる相手もいなかったんですけど(笑)｣
『じゃあ、あのイケメンを見たのは私だけ...』
目｢あ、康二もいますけど、女性では、そうですね。母親以外だとAさんだけです。｣
『...ちょっと優越感(笑)』
目｢ふはっ、優越感(笑)｣
『眼鏡外すしちゃダメだからね？！あと前髪も！』
目｢眼鏡外したからって、何も変わらなくないですか？｣
『変わるよ！絶対女の人近付いてくるよ？！ダメダメ！そんなの！』
目｢...どうして？｣
『えっ？！』
目｢どうしてダメなの？｣
『そ、それは...』
目｢それは？｣
『それは...えっと...』
目｢...｣
『あ！家着いた！ありがとう！送ってくれて！じゃあ、また月曜日！おやすみ！』
目｢あ！ちょ、｣
逃げられた...
俺も、そこまで鈍感じゃないから、何となく気付いてた。
でも、確信は無かったし、勘違いだったらすげぇ恥ずかしいから、絶対的な何かが欲しかった。
から、聞いてみたんだけど...
タイミング悪くAさんのマンションに着いてしまって、逃げられた。
くそ...もう少しで聞けそうだったのに。
いや、俺が言えば良かった。
次は絶対言おうと心に決めて家に帰った。
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作者名：ちり | 作成日時：2023年11月17日 19時
