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あの飲み会の日から、何となくAさんを目で追ってしまっている。
でもまだ、自分の中では、Aさんを異性として好きだという確証は無い。
むしろ、本当にふっかさんが言う通り、俺はAさんが好きなのか？と思うほど。
もしも本当に好きだとして、どうすればいい？
告白なんか、とてもじゃないけど出来るわけない。
かと言って、Aさんから告白してくれる事なんて、天地がひっくり返っても無いだろう。
結局、片想いのままで終わりそう。
恋心を自覚したところで、やっぱり俺には縁のない話だ。
そう思うと、さっきまでのAさんへの気持ちも、スーッと引いていく感じがした。
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向｢めめ！｣
目｢あ、康二。｣
向｢会えて嬉しい♡なぁなぁ、今日飯行かん？｣
目｢え...｣
向｢何なん！そんな嫌な顔せんでよ！...本当に嫌なん？｣
目｢ふはっ、嘘。いいよ、行こ。｣
向｢めめぇ！もう！焦ったわ〜。じゃ、終わったら連絡してな！｣
目｢分かった。｣
偶然康二に会って、ご飯のお誘いを受けた。
康二は懐っこくて、子犬みたいなところがあって、俺に寄ってくる時は大体耳とブンブン振ってる尻尾が見えてる。
だけど、少し冷たくしたり、素っ気ない態度を取ると、耳も尻尾も垂れ下がって、眉毛も下がって、何とも言えないションボリ顔になる。
それが可愛くて、ワザと意地悪してしまうんだ。
でもきっと、こういうところが康二が好かれる理由なんだろうなって思う。
表情豊かで、懐っこくて、誰とでもすぐ仲良くなってしまう。
少しだけ、羨ましいと思った。
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向｢はい、かんぱーい！｣
目｢乾杯。｣
向｢テンション！(笑)｣
定時で上がった俺達は近くの居酒屋に来た。
向｢どう？もう慣れたん？｣
目｢え、何？急に(笑)｣
向｢総務部って、何か数字とか多そうやし難しそうやん？覚えんのも大変そうやなって思ってなぁ。｣
目｢それ言ったら営業だって大変でしょ？トークスキルとか、笑顔とか、毎日お客様の所へ行ってさ。俺には絶対無理だから、康二すげぇなって思ってる。｣
向｢んふっ、照れるやん(笑)｣
目｢まぁ、総務も簡単ってわけじゃないけど。でもAさんが毎日丁寧に教えてくれるから。｣
向｢そっか！ええなぁ、Aさんと仕事。俺Aさん好き〜♡｣
目｢えっ？！｣
向｢えっ？！｣
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作者名：ちり | 作成日時：2023年11月17日 19時
