My Destiny Ⅱ (ページ11)

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駅に10時待ち合わせで、現在の時刻は9時30分。早く来すぎてしまった。外は暑いのでカフェにでも入って涼もうと思っていると…

目「Aさん、ですか？」

声がした方を振り返ると、帽子とマスクをした長身男性が立っていた。

『…目黒さん？』

そういうと彼はマスクを外しながら「そうです」と言った。

『もしかして、風邪ですか？』

目「違います！ただの変装です」

芸能人かーい。でもそうだよな、芸能人ばりのルックスをお持ちだし。幼馴染たちも大概だが、背が高い分より目立ちそう。

目「Aさんこそパーティーの時と感じが違うので、一瞬分からなかったです」

『あの時は妹になりきるためのメイクしてたから…』

今日の私は地味だろうか、翔太のヘアセットもないし。やっぱりみんなかえでみたいに、

目「めっちゃ良いですね！今の方が絶対いい！」

『…へ？』

予想外の反応にマヌケな声が出てしまった。そしてあまりにまじまじと見てくるものだから、恥ずかしくなった私は話を逸らす。

『ま、まさかこんなに早く来てると思いませんでした』

目「楽しみで早く目が覚めちゃって…そういうAさんも早いですね？」

『私も同じく目が覚めたので。家にいても家族がうるさいですし』

目「仲良いんですね。俺は疎遠なので羨ましいです」

地雷を踏んでしまったと焦る私に気づいたのか、彼はこう付け加える。

目「あ、でも兄貴夫婦とはたまに会ってますよ。だから全然平気です」

「行きましょう」という彼に続いて、駅のホームへ向かう。

電車に乗って20分ほど。降りたのは"snow水族館前"だった。

目「Aさん青が好きって言ってたし、俺も癒されるから好きだし良いかなって。ベタすぎますか？」

『いえ！水族館だいすきです。嬉しい』

そう。私は水族館が好きで特にsnow水族館は家族や幼馴染ともよく来ていた。

目「よかったです。チケット買ってあるので行きましょう！」

『ありがとうございます。お金…』

私が財布を取り出そうとすると、止められてしまった。

目「いいです。俺に払わせてください」

『申し訳ないので払います』

しばらく押し問答をしていると、彼はある提案をした。

目「じゃあ後で飲み物買ってください。それでどうですか？」

『…そういう事なら。高い飲み物限定ですよ』

渋々引き下がる私を見て、目黒さんは困ったように笑ったのだった。

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