My Destiny Ⅱ (ページ27)

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『いいの？言っても』

元カレは家族に知られたくないと言っていたから、もしかしたら彼も嫌なのかと思った。

目「もしかして元カレは家族に言わないで派だった？」

『うん。向こうの家族の事も知らない』

すると、額に手を当てて何やら考え込むめ…蓮さん。
一息つくと言いにくそうに話し出した。

目「俺もやってたから分かるけど、それは本気じゃなかった可能性大だね」

薄ら思っていたことが確信になってしまった。そんな人と結婚まで考えてた自分バカみたい。

目「でも俺は家族の事も知りたいし、知ってほしいと思ってる。だから家の前まで行っていい？」

『…お願いします』

家の前まで送ってもらい、お礼を言って車を降りようとすると引き留められる。

目「もし正式採用されたらご家族にも挨拶させて。もし(仮)でも会っていいならいつでも行くし」

『分かった。…私も今度蓮さんが働いてるカフェ行ってみたいな』

目「来て！お世話になってるオーナー達に会ってもらいたい！」

カフェも学校の近くらしいし近々行ってみようかな。
次こそ本当に降りようとすると「待って」と引き留める手に力が入る。

目「これ、ありがとう」

彼は後部座席に置いてあった可愛い紙袋を私に手渡す。中に入っているのは貸したタオルと向日葵のアイシングクッキー。

『可愛い～』

目「これ店の人気商品なの。オーナーの奥さんの手作り。季節ごとで色んな形があって、向日葵がAに似合うと思って選んだ」

『ありがとう。食べるのもったいないな』

にやけながらクッキーを眺めていると視線を感じる。

『ん？』

目「…キスしたい」

『えっ』

私が困惑している間にも彼の綺麗な顔が近づいてきて、公園の時みたいにギュッと目を瞑る。しばらくすると額に柔らかい感触がした。思わぬ場所へのキスだった為ポカンとする私。

目「ねえ、アウトなら言わないと本当にしちゃうよ？」

そういって優しく笑って離れていく。1つ1つの仕草にドキドキして心臓が持たない。アウト…なのかな？

目「引き留めてごめんね。おやすみ」

『おやすみ。気を付けて帰ってね』

小さくなっていく彼の車をボーっと見つめる。なんだか信じられない。夢なのではなかろうか。サラッと名前も呼び捨てにできちゃうし、恋愛経験値が違いすぎる。

『ただいま』

妹「お姉ちゃんおか…ゆでだこみたいだけど大丈夫！？」

…誰がゆでだこや。

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