My Destiny Ⅱ (ページ30)

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向井side

夏休みだろうと俺らバスケ部はほぼ毎日部活がある。まあ大会もあるし仕方ないんやけど。でも今日は珍しく午前中だけやから、帰りにさっくんとご飯食べて帰る約束してる。

向「さっくんおまたせ」

先に帰る準備を終えていたさっくんの元へ向かうと顧問2人と話していた。

阿「康二も知らない？A先生が元気ない理由」

岩「やっぱ俺らが余計な事を言ったから…」

向「Aちゃん元気ないん？」

俺らは終業式の日以来会ってへんし知らんかった。
何かあったんやろか。

佐「帰る前に職員室寄ってこっか」

阿「ちょうど昼休憩だと思うから行ってあげて」

職員室に到着しガラス戸を覗くと、スマホと睨めっこしているAちゃん。入口で挨拶をして中に入り声をかける。

向「顔、険しいで？」

『！びっくりした…2人ともどうしたの』

まさか俺らがおると思っていないAちゃんはものすごく驚いている。机の上には食べ終わったお弁当箱とスマホが置かれていて、画面に映っているのは服…？

佐「Aちゃん、もしかしてデートですか」

向「それで悩んでて元気ないん？」

『？私は元気だよ』

本人は元気だって言うけど、確かに2人の言う通りいつもと少し違うように感じる。

『デートではないけど、大事な場面にはどんな服装がいいのか調べてた』

佐「いつも通りでいいんじゃない？」

向「そうやで。いつもきっちりした服装やん」

『そう？』

気にするってことはそれくらい大事な場面なんかな。もしかして結婚の挨拶とか？！そんな事を考えながらポケットに手を突っ込むといい物を見つけた。

向「Aちゃんにお気に入りのお菓子あげるな～」

そういって俺はグミを渡した。期間限定で見つけてハマっている物だ。

佐「あーそれよく康二が食べてるやつ！俺も食べたい」

『あ、じゃあ…』

Aちゃんは封を開けてさっくんとなぜか俺にもくれた。そして1粒食べて「美味しい～」と3人で笑顔になる。

向「"オレンジkiss味"やで」

『ん"っ！』

佐「どうしたの！大丈夫？」

名前を聞いてむせてしまったAちゃん。

『ごめん大丈夫。すごい名前だね』

向「素敵やろ？見た瞬間買ってもーた」

佐「kissってこんな味なの？Aちゃんなら分かる？」

『さ、さあ…？』

昼休憩が終わるまで3人で楽しく話した。
少しAちゃんが元気になった気がして嬉しいなぁ♪

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