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片付けを終えた2人が戻ってきたタイミングで蓮さんも淹れ終わり、食後のコーヒーを美味しくいただく。その間も2人の生暖かい視線が刺さって少し気まずかった。
…蓮さんのせいだ。
『今日は本当にお世話になりました。お土産まで頂いてしまって…』
奥「いーえー♡またいつでも来て」
『ありがとうございます！』
オ「蓮の事よろしくね」
奥「阿部くんにもよろしく〜」
目「では彼女送って帰ります。おやすみなさい」
手を振る2人に見送られながら車へ向かう。
目「今日はありがと。緊張した？」
『最初したけど2人と話した瞬間に緊張解けたよ』
目「ね。すっごい良い人達でしょ」
『うん！料理も美味しすぎたし、蓮さんがコーヒー淹れるの見れたのも新鮮だったな。…でも』
目「でも？」
『人に見られるかもしれない所でああいう事は…』
目「ああいう事って？」
とぼけたふりをする彼をチラッと見れば、必死に笑いをこらえている。
『…絶対わかってるでしょ』
目「ごめんごめん。じゃあ見られない所ならいいの？」
信号が赤になったタイミングでこちらを見つめながらそう言われた。この瞳に私は弱いのだ。
『それは…時と場合によります…』
目「えっダメじゃないんだ。まじか」
『あー…あ！クッキー頂いちゃったね！』
うわ、不自然に話題を逸らしてしまった。
しかし「そうだね」と言ってくれる彼は優しいな。
『こんなに種類あったら悩むよね〜』
目「…もしかして悩んでたって聞いた？」
『うん。一生懸命選んでくれてありがとう』
目「はっず。そうだ、次はAが俺に選んでよ」
そう来たか。私がしばらく悩んでいると、車は家の近くの公園の駐車場に停まった。他に車や人はおらず静かだ。
目「すごい悩んでくれてるし、家の前で長居するわけにはいかないかなーって。決して人目が無い所で…とか下心あるわけじゃないから！」
慌てて説明する彼が可愛くてつい笑ってしまった。
『ふふっ…ありがと。じっくり選ばせてもらうね』
どれも可愛いくて捨てがたいが、私は1番初めに気になっていたものを手に取って渡した。
目「イルカ？」
『そう。水族館でイルカのマスコットもらったでしょ？これでお揃いになるかなって』
蓮さんはしばらくの沈黙のあと、クッキーを優しく握りしめフーと息を吐いた。もしかして期待外れだった…？
目「…俺、最近おかしいんだよね」
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作者名：あんこ | 作成日時：2023年9月28日 6時
