My Destiny Ⅱ (ページ35)

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『おかしい？どこか調子悪いとか？』

私が問いかけると彼は「そういうわけじゃない」と小さく首を振った。

目「Aの全てが愛おしくて。お揃いもすっごい嬉しい」

そう言って本当に嬉しそうに微笑むから、ドキドキしすぎて心臓が痛い。

目「こんな気持ちになったの初めてで。自分でも動揺してる」

『初めて…』

蓮さんの"初めて"をもらえた事が何だか嬉しい。

目「あまり感情を表に出すタイプじゃなかったんだけど、今は嬉しいとか嫌だとかすぐ出しちゃう。それで嫌な思いさせたらごめんね？」

『ううん。どちらかと言えば私もそういうタイプだし』

目「似た者同士って事かな」

「たしかに」と2人で顔を見合わせて笑った。

『そうだ。これ食べてみて』

そう言って私は向井くんからもらったグミを渡し、自分の口にも入れた。

目「うまっ。オレンジ味？」

『"オレンジkiss味"』

目「ん"っ…」

『私もそうなった。でも美味しいよね』

目「うん。kissの味かと言われると分からないけど」

『だよね。分かる？って聞かれたけど私も答えられなかったもん』

「上級者にも分からないかー」と言うと「俺って上級者なの？」と聞き返される。

『私のイメージでは。違ったらごめん』

目「どうだろ。Aの前だと必死だよ色々」

『…そうなの？』

目「本当は"味の検証してみる？"って言いたいけど、下心はないと言った手前やめた方がいいよな…とかね」

どうリアクションすればいいか悩んでいると、蓮さんはこう続けた。

目「とにかく！好かれるよう、嫌われないよう必死！」

こんなにもまっすぐ気持ちを伝えてくれる彼と受け身すぎる私。このままでいいのだろうか？気づいたら私は彼の頬に手を伸ばしていた。

『検証…してみよっか』

私がそう伝えると目を見開き驚いている。
たまには私から積極的に…と思い近づくと「だめ」と肩を掴んで止められてしまった。

『ごめん！』

慌てて離れようとするが、肩を掴む手に力が入る。

目「離れないで。初めては俺からしたいな」

『えっ』

目「ほんとにいい？…まあもう遅いけど」

そのまま彼の顔が近づき、前回とは違って唇に柔らかいものが触れすぐに離れた。

目「ははっ、顔真っ赤」

『暗くて見えないでしょ』

目「バレた？そういう俺も心臓バクバク。帰ろっか」

『…お願いします』

私たちの初めては"オレンジkiss"の味がした。

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