87 渡辺side ページ38
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渡辺side
宮舘明日は2人とも来れそう?
木曜日の夜、3人のトークルームにメッセージが届いた。
本音を言うとあまり行きたくはない。
深澤わかんない
渡辺未定
宮舘できれば来てほしい
涼太が来てほしいと言うのは珍しい。
基本的に俺らの都合を優先してくれるから。
もしかしたら大事な話でもあるのかな？
渡辺わかった
深澤りょーかい
とりあえず行く事にした。
翌日、仕事を終えて涼太の店に向かう。
Aいるかなーいるよなーなんて考えていると、店の前に人影が見えた。
深「あ！翔太！」
渡「辰哉？なんでそんな所に」
深「なんか入りづらくて…」
渡「それはわかる。でも行くしかねぇ」
深「そだね」
覚悟を決めて中に入るが、そこにAの姿はない。
宮「2人ともお疲れさま。来てくれてありがとう」
深「あれ？Aは？」
宮「もう少ししたら来ると思う。彼氏と」
渡「は？」
深「やだ俺帰る」
宮「待って。なんで帰るの？」
深「彼氏になんて会いたくないから！ねえ翔太、先週の焼き鳥屋いこ！」
宮「やっぱり先週仕事じゃなかったんだ」
渡「…悪い。嘘ついたわ」
そう。Aと会いたくない俺と辰哉は仕事だと嘘をついて2人でご飯に行った。でも涼太にはバレていたらしい。
宮「それは良いよ。辰哉はなんで会いたくないの？」
深「なんでって…ねえ？」
辰哉がチラッと俺を見て助けを求めてくる。
渡「じゃあ逆に聞くけど、涼太はどうなの？」
俺がそう問いかけると、少し顔をしかめ「俺だって会いたいわけじゃない」という涼太。
宮「これはラウの受け売りだけど。俺らの誰かが付き合ってるわけでもないのに、相手ができたからって避けるのは違うと思うんだ」
深「…たしかに」
渡「ド正論だな」
宮「気持ちは痛いほどわかる。でもここはみんなで大人な対応しない？」
深「わかった。大人な対応できるかな…特に翔太」
渡「は？できるっつーの。俺、仕事中ちょー大人だから」
宮「大人というか、人見知りというか？」
渡「うっせ」
深「大人な翔太くん楽しみにしてよー」
渡「そういう辰哉も子どもだろ」
深「ええ〜？」
3人で楽しく言い合っていると、入口が開く音がした。
振り向くとAと目が合う。あの隣にいるデカいのが目黒か。足なっが。まじでモデルじゃん。
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作者名：あんこ | 作成日時：2023年9月28日 6時
