My Destiny Ⅱ (ページ46)

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阿部先生と帰る事になったので、お会計とオーナーさん達への挨拶を済ませる。

『蓮さんお仕事頑張ってね』

目「うん。帰り気を付けて」

奥「阿部くんもまた来てね！」

阿「もちろんです」

彼の爽やかスマイルに、色んな所からズキュンという音が聞こえた気がした。

店を出て駅までの道を並んで歩く。
チラチラと感じる視線が気になり私から問いかける。

『何か話があるんですよね…？』

阿「えっ…はい。昨日どうだったかなーと。でも聞いていいか分からなくて」

いつもなら喜んで聞いてくるのに…
不思議に思った私は彼が首元を見ていることに気づいた。

『見えちゃいました？』

阿「さっき栞拾ってくれた時に。…あと、服も昨日と同じですよね？」

相変わらずの観察力だ。鋭い彼にはバレバレだろう。
そりゃ聞きづらいのも納得。

『…お察しの通りかと思います』

阿「それは大変でしたね」

『私が悪いんです。彼の気持ちを察する事ができなくて』

阿「仕方ないですよ。恋人とはいえ所詮は他人です」

彼にそう言われると、スッと心に入ってくるのはなぜだろう。昨日の事をかいつまんで説明すると驚いた顔をした。

阿「幼馴染と会うのやめるって言ったんですか？」

『彼が望むなら』

阿「…それって本心ですか？」

『そのつもりです』

私がそう答えると、彼は少し考えてこう続けた。

阿「失礼を承知で言いますが、A先生って自分の気持ちに鈍感ですよね」

『えっ』

阿「思い出してください。幼馴染に避けられて悲しかったんですよね？その状況を自ら作るんですか？」

確かに幼馴染に避けられた時は本当に辛かった。
でも彼が望むならそうするべきじゃないの？

阿「相手を想っての発言だったのかもしれませんが、A先生が悲しかったら彼も悲しいと思うんです」

『…』

阿「好きな人が自分のせいで悲しんでたら嫌じゃないですか？」

『…たしかに』

阿「そういう事です。自分の気持ち大切にしてください」

本屋に到着し「では」と阿部先生と別れた。
目的地に向かいながらボーッと考える。

"自分の気持ち"

蓮さんの事は好きだし、彼の嫌がる事はしたくない。
でも本当は幼馴染と会わないなんて嫌だ。
…頭の中ぐちゃぐちゃ。

来週の花火大会が終われば期限である1ヶ月になる。
このまま付き合ってていいのだろうか。

来週中にもう1回話し合う時間を作りたいな。
結論は2人で出さないとね。

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