My Destiny Ⅱ (ページ9)

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目黒さんと電話を始めて1週間が経った。
2回目以降はちゃんと5分以内に終了しており、誠実な人だと感じる。そして電話も毎回楽しい。

それにしても、目黒さんの過去のお話を聞いた時は驚いた。私たちの境遇に似ていたから。だからという訳ではないが、実は私も彼に少し興味が湧いてきているのは認めざるおえない。

～♪

そんな事を考えていると、電話が鳴った。

"もしもし"

目"こんばんは！"

"こんばんは。ちょうど目黒さんのこと考えてました"

目"……ずるいです"

"え？"

目"不意打ちはずるいですよ。心臓に悪い"

事実を伝えたのだが、彼には刺激が強かったようだ。そんな初心キャラだったっけ？

目"コホン、取り乱してすみません。今日はデートの日程の相談がしたいと思ってます"

"そうですね。お互いの事だいぶ分かってきましたし"

目"実は来週の土曜、オーナーの都合で店休日なんです。滅多にない土日休みなので…ご都合いかがでしょうか？"

スマホのスケジュールを確認し、特に予定は入っていないことが分かったので大丈夫だと伝えた。

目"ありがとうございます！わー、日程決まるとほんとにデートするんだって実感が湧きますね。緊張してきました"

"初めて？の電話の時もそうですが、目黒さんって意外と緊張しやすいんですね"

私がそう言うと、少し照れたように話す目黒さん。

目"だって、失敗したくないじゃないですか"

"相手は私ですし、失敗しても大丈夫ですよ？"

目"Aさんだから嫌です！嫌われたくないので"

"…あの。回数を重ねる毎に素直になっていく気がしますが、こっちが素ですか？"

目"すみません。俺、相手に心を許すと性格変わるってよく言われます"

心を許す。その事実に少し喜んでいる自分がいる。

"心を許してくれてるんですね。素直な人、私はいいと思います"

そういうと目黒さんは「ありがとうございます」と言いながら、おもわぬ提案をしてきた。

目"もし、もしよければ名前で呼びたいのですが……"

"名前で、ですか？"

名前呼びというと、私の中では特別な間柄の人っていうイメージがある。でも、不思議と嫌な気持ちはしなかったので承諾した。

目"やった！嬉しいです。…あ、もう時間になりますね。おやすみなさい、Aさん"

サラッと名前で呼ばれて、ドキドキが止まらない。不意打ちは心臓に悪いと身をもって実感したのだった。

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