59 深澤side ページ10
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深澤side
楽しいはずの華金が今日は楽しくない。
なぜなら、明日ついにAが目黒とデートするというではないか。
宮「どこ行くかは決まっているの？」
『目黒さんが考えてくれてるみたい』
深「え〜それ大丈夫？」
初デートで場所を知らせないって…相手不安になるかもとか思わないのかな。そういう俺もしたことあるから、あまり言えないんだけどね。
『彼は大丈夫だと思ったから任せた』
宮「もうそんなに信用してるんだ」
『毎日電話して色々と分かってきたから』
渡「…んだよそれ」
ずっと黙って聞いていた翔太が、机をバンと叩き怒りをあらわにした。まあ確かに毎日電話なんて聞いてないし、その気持ちは分からなくもない。
深「Aいつも電話は苦手って言ってるじゃん。なのに毎日…」
『5分だけね。デート前の調査的な感じだよ』
宮「じゃあ明日が終われば、やめるって事？」
渡「なわけねーじゃん。あの酔っ払いは絶対にする」
『いや、毎日酔っ払いじゃないから』
そういって彼女は笑っているけれど、それだけみんな気にしてるんだよ。明日の準備のため早いけど帰ると言うので、俺も一緒に帰る事にした。
深「俺も毎日電話しちゃおっかなー」
『メッセージでお願いします』
深「なんでよ！目黒はいいのに」
『だって辰哉、長そうだもん』
うっ、それは否定できない。だって、話したい事たくさんあるし仕方ないじゃん。
あーあ。明日デートかあ〜告白とかされたりして…。
深「……もし、告白されたらどうする？」
『うーん。どうしようね？』
以前に聞いた話だと、元カレとはうまくいかなかったっぽいしもう付き合ったりはしないのかな。
『こればかりは行ってみないと分からないよ。実際デートしてみて、この人無理！ってパターンもあるし』
深「そうだけどさぁ…」
Aは昔から自分の事が分かっていない。
オシャレとかに無頓着だけどすごい可愛いって事とか、周りに気を遣えるいい子な事とか！…俺が幼馴染バカなだけ？いや、少なくとも涼太や翔太は分かってくれるはず。
駅のホームで電車を待つ間、"気を付けたほうがいい男"についてひたすら話した。
深「俺、明日1日フリーだから！何かあったらすぐ連絡して」
『何かって(笑)わかったよ、ありがとう』
電車の中で、営業カバンにキーホルダーをつけるのはやめた方がいいと言われた。でも、絶対やめないもんね。
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作者名：あんこ | 作成日時：2023年9月28日 6時
