109 目黒side ページ11
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目黒side
目「ねえ、いつになったら帰るの？」
ラ「ん〜飲み終わったらね」
確かに"飲んだら"とは言ったけど…。
宮舘さんの事を褒めたら懐かれてしまった。
でも兄貴を大好きな所は親近感が湧く。
目「もう遅いし…」
ラ「え！？泊めてくれるの！？」
目「泊めない。帰って」
そう言うと頬を膨らませるので、指でつついてやった。
ラ「ちゃんと帰るよ。だからあと少しだけ」
麦茶を一口飲んだラウは静かに話し始める。
ラ「俺も、お兄ちゃん達の関係に思う所はあった。でも距離が近いから言いづらくて」
目「そうだろうね」
ラ「だから蓮くんが言ってくれてスッキリした！言い方はきつかったけど(笑)」
目「それは反省してます…」
ラ「お兄ちゃん達の事、考えてくれてありがとう」
この子はまた盛大な勘違いをしている。
目「いや、俺が考えてるのはAの事だけ」
ラ「もーAちゃん好きすぎ」
お腹を抱えて笑うラウは、机の上にある置物が気になったらしく「これ何？」と聞いてきた。
目「宝物」
ラ「ザリガニ好きなの？」
目「ザリガニも好きだけど…ふふっ」
あ、水族館デートの事を思い出しにやけてしまった。
案の定ラウから冷ややかな眼差しを向けられる。
目「…Aから貰ったの」
ラ「だと思った(笑)そんなんでよく決断できたね」
目「個人的に、恋愛において全員が幸せって難しいと思ってて」
ラ「うん」
目「だったら俺は、Aに1番幸せになってほしい」
初対面の年下に俺は何を語ってるんだ。
恥ずかしくなり「忘れて」と言おうとすると、思い切り抱き着かれた。
ラ「蓮くんのそういうところ好き！」
目「だから距離感おかしいって！」
離れようとラウの身体を押し返すが、俺よりさらに大きくてびくともしない。
ラ「また遊びに来ていい？」
目「だめ」
ラ「じゃあ連絡先教えて」
目「やだ」
ラ「友達なのに」
目「いつから友達になったの？」
押し問答を繰り返していたが「朝からバイトだから」という理由で、何とか玄関まで連れて行く事に成功した。
目「帰り気を付けてね」
ラ「うん！帰宅報告するから連絡先を」
目「…もー」
ついに根負けした俺は渋々スマホを差し出す。
ラ「ありがと！また連絡するね！おやすみ〜」
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ラウ帰宅しました♪♪
不覚にも可愛く思えてきた。
まさかこの歳になって年下の友達ができるなんて。
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作者名：あんこ | 作成日時：2023年11月4日 15時
