My Destiny Ⅲ (ページ19)

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今日は始業式。
教室に向かうと、廊下で喋っている2人組。

『おはよう。なんで廊下にいるの？』

佐「！Aちゃん…おはよ～」

向「おはよぉ…先に謝っとく。ごめんっ！！」

どうやらクラスの女子に待ち受けを見られ「このイケメンは誰！？」と大騒ぎになっているとの事。

『なるほど。もう待ち受けは変えた？』

「もちろん」と見せてきた2人の画面を確認し、入口に手をかける。

向「ほんまにごめんな」

佐「俺らが盾になるからっ」

『大丈夫。ありがとね』

教室に入ると一瞬にして女子生徒に囲まれてしまった。
この感じ、辰哉が初めて高校に来た時の事を思い出す。

女生徒「A先生！」

向「ストップ！」

女生徒「あのイケメン誰？」

佐「落ち着いて～」

女生徒「彼氏？いいな～」

話す隙を与えないくらいの質問攻め。
2人も盾になろうとしてくれているが完全にスルー。

『とりあえず席ついて。HR終わったらすぐ体育館に移動だからね』

向「はよ座るで」

女生徒「え～」

2人の協力もあり何とかこの場は収める事ができた。
移動中も私の横を陣取った女子生徒たちが「どういう徳を積めばA先生みたいにイケメンに恵まれるのか」という討論を繰り広げている。そんなの私が聞きたいよ。

体育館に到着し、教師の席もクラス順なのでA組の阿部先生、C組の岩本先生の間に座る。

阿「新学期早々おつかれですか？」

『ええ…まあ…』

岩「生徒ってなんであんな元気なんですかね」

『教室戻ってからが怖いです』

式の最中もこちらをチラチラ見る生徒達に、何回ジェスチャーで前を見るように指示したか。そのたび両サイドに笑われ全然集中できなかった。

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今日は一段と疲れた…
寝る準備を終えた私はベッドに倒れこむ。

教室に戻ってからの記憶はあまりない。
蓮さんに会いたいって言われて、だめって言ってどうなったんだっけ。

～♪

そろそろ寝ようかと思った矢先にスマホが鳴る。画面に映し出されるのは"渡辺翔太"の文字。

"もしもし"

渡"わり。寝てた？"

"ううん。大丈夫だよ"

渡"あのさ、今週末って空いてる？"

翔太から週末の予定を聞かれるなんて珍しい。特に予定も無いので「空いてる」と答えた。

渡"そっか"

…予定聞いといてそれだけ？
続きを待っていると電話の向こうで深呼吸が聞こえる。

渡"俺も休みもらえて。だから、"

"うん"

渡"どっか行かね？……ふたりで"

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