My Destiny Ⅲ (ページ28)

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妹「お姉ちゃん早く！」

辰哉からの思わぬ告白のおかげ？で一睡もできなかった私は、盛大に寝坊してしまった。電車では間に合わないので、偶然お休みだった妹に送ってもらう事に。

『ほんとーにありがとう』

妹「それはいいんだけど、寝坊なんて珍しいね」

「クマもすごいし」とルームミラーごしに笑われ、慌てて鏡を見るとひどい有様だ。時間が無くメイクも適当だから隠しきれていない。

妹「私の伊達メガネしてく？」

『借りよっかな』

伊達メガネをすると、色々と誤魔化せたような気がした。

赤信号で止まっている時に突然「あっ」と言う妹。

妹「あれ辰哉くんじゃない？」

指さす方を見れば、高校の最寄り駅からこっち方面に歩いてくる辰哉の姿。思わず私は隠れてしまった。

妹「なんで隠れるの？」

『なんでだろう…』

妹「昨日、何かあったでしょ。辰哉くんと」

まあ、そう思うよね。こんな態度取ってたら。

妹「告白でもされた？」

『え"っ』

妹「わかりやすいな～」

そうこうしているうちに学校に到着。
「ありがとう」と車を降りようとすると「逃げてちゃだめだよ」と釘を刺される。

妹「だって辰哉くんが動き出したってことは…ね？」

意味深な事を言う妹に見送られ、私は職員室へ急いだ。

『おは、ようござ、います』

阿「おはようございます。大丈夫ですか？」

校門から走っただけなのにこの息切れ。体力なさすぎて悲しくなる。なんとか始業には間に合って一安心。

HRを終えて戻ると、辰哉が岩本先生と話していた。動揺しそうになるのをぐっと堪えて。

『お疲れ様です』

岩「お疲れ様です！あれ、今日はメガネなんですね」

「そうなんです」と辰哉の方を見ると、目の下に立派なクマが出来ていた。

『すみません。ちょっと借ります』

辰哉の手を引き、隣にある誰もいない部屋へ。

『今朝、鏡みた？』

深「んー見てない」

やっぱり。
ポケットから鏡を取り出し見せると「うわっ」と驚く。

深「実は…あんまり眠れなくて」

『待って。わたしも』

深「えっ、でもAはクマない」

『ある！よく見て』

グイっと顔を近づけると、頬を両手で挟まれた。

深「昨日の事、冗談だと思ってる？」

『…いいえ』

深「じゃあこういう事しちゃだめ。何かされても文句言えないからね」

そう言うと優しく笑って手を離し「授業遅れるよ～」と部屋を出ていく彼を慌てて追った。

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