128 宮舘side ページ30
・
宮舘side
A急な打ち合わせが入って遅くなる!
ちょうど2人が揃ったタイミングで届いたメッセージ。
お酒を作りながら「A遅くなるって」と伝えると、落ち着かない様子の辰哉。
渡「どーした」
深「えっ、あ、いや」
宮「よかったら聞かせてくれない？」
そう言ってお酒を出すと、それを一気に飲み干した彼はゆっくりと口を開く。
深「俺…間違ったかも」
渡「間違った？」
話を聞くと、パーティーの帰りに自分が告白したことでAを困らせてしまっているのではないかとの事だった。
深「次の日会ったら、眠れなかったって言ってて。まあ俺もだけどさ」
宮「んー本心はAにしか分からない。でも俺は、戸惑ってるだけじゃないかなと思うよ」
渡「そりゃ幼馴染からの突然の告白だしな」
しばらく辰哉の話を聞いていると、酔いが回ってきたのか愚痴をこぼすようになってきた。
深「もうね、ぜーんぜん男をわかってないのよ」
宮「え？」
深「好きだって言ってる男に、こーんな顔近づけてさ」
そう言って翔太に思いっきり顔を近づける辰哉。
深「翔太だったらどーする？」
渡「俺だったら…押し倒す」
思いもよらない爆弾発言に、俺と辰哉は顔を見合わせる。
渡「ふはっ冗談。でもそうなっても仕方ないよねって話」
「そうだね」と同意しつつ、さっきの翔太の表情からは冗談っぽさを感じなかったんだよなーなんて思った。
深「やばい。Aを近づけないようにしないと」
宮「そうは言っても明日でしょ？デート」
渡「おう」
深「もう明日かぁ。どこ行くの？」
渡「すのパー」
彼の口から出た懐かしい響きで、思い出話に花が咲く。
宮「翔太、乗れないの結構あるイメージ」
深「ジェットコースター系も観覧車もお化け屋敷も苦手じゃなかった？」
渡「今も無理。でも…乗りたいって言ったら、頑張る」
深「お〜変わったね」
渡「そうか？」
本人は無自覚なようだが、確実に成長してる。
昔は乗らないと言ったら絶対に乗らなくて、1人にもさせておけないからAが一緒に残る事も多かった。
高校生の時に1回だけ無理やり乗せて、不機嫌にさせたこともあったっけ。あの翔太がそんな事を言うなんて。なんだかジーンときた。
まあAは優しいから、乗れないと分かっているのに「乗ろう」と言っては来ないだろうけど。
とにかく明日は2人が目一杯楽しめますように。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 534人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あんこ | 作成日時：2023年11月4日 15時
