My Destiny Ⅲ (ページ38)

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アトラクションたくさん乗れたし、パレードも可愛かったし、夜ご飯はちょっといいお店に入って堪能したし、もう悔いはない！

少しづつ暗くなってきた空を見上げて「大満足」と呟けば、隣を歩く翔太が「俺も」と応える。

『最高の30歳ラストをありがとね』

渡「…それならよかった。最後にさ、あれ乗ろ」

彼が指さすのはライトアップされた観覧車。
「苦手じゃ」と言いかけると、彼は被せるようにこう言った。

渡「俺が乗りたいから乗るんだからな」

『ふふっ。乗ろっか！』

観覧車に乗り込み、景色を眺める。家はどこかなーとか学校はあそこかなーとか考えるのが好き。

『JUICYはあっちの方だよね』

渡「…たぶん」

やはり苦手なようで全く外を見ないし、言葉数が減ってしまった翔太。

『嬉しかったな。私の楽しいを共有しようとしてくれて』

渡「そう？」

『うん。無理なもんは無理！だったじゃん』

渡「俺も大人に…まあ、それだけじゃないけど」

そう言ってジーッとこちらを見つめてくる。

渡「…さっき。彼氏と間違われた時。嫌だった？」

『全然！むしろ恐れ多いといいますか』

渡「は？なんだよ恐れ多いって」

『そりゃ～モテモテさんですから』

私がそう答えると、大きなため息をつきながら隣に移動してきた。

『片側に2人だと傾くから嫌なのでは…』

渡「あのね、その他大勢からモテても意味ねーの」

どこでスイッチが入ったのか、翔太は私の言葉を無視して話し続ける。

渡「俺がモテたいのはただ1人。誰かわかる？」

ゆっくり距離を詰める彼の肩越しに見えたスタッフの姿。
いつの間にか下まで降りてきていたらしい。

ス「終わりで〜す。気をつけて降りてくださいね」

観覧車を降りてからの翔太はいつも通りで、さっきのは何だったのかと思うほどだ。あまりの恐怖におかしくなったのだと思いたいが、私を見るあの瞳はきっと…。

渡「お土産、買い忘れない？」

『涼太と辰哉とラウと…うん、大丈夫そう』

渡「じゃ買ってくるわ」

当たり前のように私の分までお金を払う翔太。
最後の最後まで財布を出させてもらえなかった。

渡「帰るぞ」

『うう、名残惜しい』

渡「また来ればいいじゃん」

『だね』

車に乗って翔太の家に向かう。
何も考えずＯＫしたけど、よくよく考えたら自分に好意を持っている(かもしれない)異性と二人きり…？

『まじか、』

渡「突然なに？こわっ」

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