My Destiny Ⅲ (ページ41)

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もしかしてと思って来たけれど、至って普通な翔太。

卒アルみて、お風呂入って、スチーム浴びせられて、髪を乾かしてもらった。

いつも適当なスキンケアも丁寧にやった(やらされた)からお肌はぷるぷる、翔太の腕前で髪はサラサラ、この一瞬で女子力が上がった気がする。

並んで歯を磨きながら「誕生日カウントダウンしてよね」なんて豪語したくせに…寝てしまったようだ。

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目が覚めるとベッドの上で、隣を見ても彼はいない。

リビングへと続く扉の隙間からは光が漏れている。
まだ起きてるのかな？

そっと扉を開けるとソファに座っている後ろ姿。

『翔太、寝ないの？』

渡「！！っくりした…」

そんな驚く？ってくらい驚いている。

渡「あー明日も休みだし、夜更かし満喫中」

『何それ(笑)ごめんね？カウントダウンしてとか言ったくせに寝ちゃって』

渡「気にすんな。疲れてるし仕方ないじゃん」

「白湯でも飲む？」と立ち上がり、ウォーターサーバーで白湯を作って出してくれた。ミニマリストなのにウォーターサーバーはあるんだ…。

渡「どーぞ」

『ありがとう』

渡「じゃ改めて…誕生日おめでとA」

白湯が入ったマグカップをコツンとあて乾杯。
一口飲むと身体の中からポカポカしてくる。

渡「俺が1番？」

『うん、1番。特別GETだね』

渡「…いじってんだろ」

そう言ってそっぽを向く翔太。
少し耳が赤くなっておりなんだか可愛い。

渡「さっきは、悪かった」

『さっき？あ、スチーム？』

渡「ちげーよ……観覧車」

顔はそっぽを向いたまま、視線だけでこちらを見る。

渡「モテモテとか言うから、なんか、ムキになった」

『ごめん』

渡「謝って欲しいんじゃなくて、他人事なんだなって、思って」

今度はしっかりとこっちを見た翔太がこう続けた。

渡「Aからモテる未来は、ある？」

それって…

渡「俺は、Aの事が……好き、です」

観覧車の時と同じ、真剣な瞳。

渡『そんな気ないって分かってるし、言わないつもりだった。でも無理で…ごめん』

『ううん、ありがとう』

いや、ありがとうって何？
辰哉にもそう言ったけど、これが妹の言う"逃げ"なのでは無いだろうか。中途半端で、1番ずるい。

『時間を……ください』

渡「ん。これ飲み終わったら寝よ」

数え切れないほど一緒に寝ているはずなのに、落ち着かなくて寝付くのに時間がかかったのは内緒。

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