My Destiny Ⅲ (ページ49)

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涼太が1番好きだという"ブルームーン"
とてもいい香りがして、幸せな気分になる。

あまり好き嫌いを言わない彼が好きだと言った物。
絶対に覚えておいて2人にも教えてあげたいな。

宮「ねえA。聞いてもいい？」

『ん？』

宮「なんか…悩んでること、ある？」

やっぱり気になるよね。
泣いたと思ったら意味不明な発言するし。
この際だから、思いきって相談してみよう。

宮「言いたくなかったらいいんだけど」

『実は……2人から告白されたの』

驚いたかな？突然こんなこと言われて。
恐る恐る涼太の顔を見るが予想は完全に外れた。

『あ、あれ？』

宮「ごめん…それは知ってた」

え、情報共有されるの早くないか？

宮「怖い？幼馴染でいられなくなるのが」

『…怖い』

私が答えを出してしまったら、今まで築き上げてきたこの関係性が崩れてしまうかもしれない。

『そうなるくらいなら、このままがいい』

宮「それは…本心？」

『うん？』

宮「"どうしたいか"で考えてる？」

今の私は...自分の気持ちとちゃんと向き合えてるかな。

宮「俺もだけどさ。ついつい"どうすべきか"で考えちゃうんだよね」

「で、翔太に怒られた」と彼は小さく笑った。

宮「急がなくていいから"どうしたいか"考えてみて」

『でも…』

宮「そうじゃなきゃ納得しないよ、あの2人は」

私の答えにいちゃもんをつける2人が容易に想像でき、つい口元が緩んでしまった。

宮「目に浮かぶでしょ」

『うん…ふふっ』

宮「ふふっ…A、笑いすぎ…」

『涼太こそ…』

思いっきり2人で笑ったら、心が軽くなった気がする。

『明日もあるし、そろそろ帰るね。お会計』

宮「いいよ。味見のお礼…って言っても引き下がってくれないかな」

『よくご存じで』

宮「そこもAのいい所だから」

『……ありがと』

宮「じゃ今度、ブルームーンご馳走してくれる？」

『りょーかい！』

元気よくそう答えたら、彼は困ったように笑った。

いつもこういう場面で相手を困らせてる気がする。
その度に反省はするけど直す努力はしていない。

「家まで送ろうか？」と言ってくれたが、さすがにそれは申し訳ないので入口までにしてもらった。

宮「本当にいいの？」

『うん！今日は本当にありがとね！』

宮「こちらこそ。最後に1つだけ…」

"そんな簡単に俺らの関係は壊れないよ"

涼太のその言葉は、私の心を温かくした。

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