My Destiny Ⅲ (ページ6)

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目黒side

花火を見ている間、ずっとAを抱きしめていた。
人が少ない所を頑張って探してよかったな。恥ずかしがり屋だから人が多かったら絶対に断られてたと思うし。

クライマックスを迎え、あっという間に帰り道。

家についてしまったらこの関係が終わるかと思うと足取りが重い。2人で決めたことだから仕方ないんだけど。

目「この1ヶ月、どうだった？」

『すごい楽しかった。蓮さんのおかげで恋愛っていいなって改めて思う事ができたよ』

目「そっか。それならお試しした甲斐があったね」

『…うん。本当にありがとう』

あー泣きそう。もう泣かないって決めたのに。

目「あのさ、付き合う前に戻ってもカフェ来てくれる？」

『もちろん』

目「俺も会いに行ってもいい？」

『もちろん』

目「蓮って呼んで？」

『もち……え？』

どさくさに紛れてお願いしてみたけどバレたか。

目「結局1回も呼んでくれてないから…ダメ？」

『…頑張ります』

目「ふはっ。敬語になってるし」

さて、ここから俺のやるべき事は…

目「前に言ってたよね。幼馴染の事は好きだけど、恋かと言われると分からないって」

『うん』

目「そこから進展はあった？」

『無い…かな』

前までの俺ならこのままでいてほしいって思ってたけど、それでは身を引いた意味が無くなってしまう。

目「今日って幼馴染も花火行ってるの？」

『いや、みんなで涼太の店にいるみたい』

目「そうなんだ」

ゆっくり歩いたにも関わらずもう家は目の前で。
家から少し離れた人のいない所で彼女を抱きしめる。

目「A、好きだよ。1ヶ月楽しかった。怖い思いもさせてごめんね。…本当にありがとう」

『こちらこそ。またね…蓮』

目「！！……だから不意打ちはずるいって」

俺はそっと身体を離し、彼女の額にキスをした。
唇にはしないって決めたからココで我慢。

目「誕生日は友達としてお祝いさせてね」

『嬉しい。ありがとう』

家の前まで足を進め「おやすみ」と中に入っていく彼女を見送る。あー本当に終わっちゃったんだ。

女①「あの…」

女②「お兄さん！」

女③「モデルさんですか？」

1人になった途端に声をかけられ、かなり鬱陶しい。
見かけで寄ってくる女になんて興味ない。

目「すみません急いでるんで」

女たちの横を足早に通り過ぎ、俺はある場所に向かった。

煮え切らない幼馴染たちに一言もの申す為に。

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