107 渡辺side ページ9
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渡辺side
幼馴染たちと楽しくお酒を飲みたくて来たのに。
いきなり来た目黒の発言で一気に険悪ムード。
友達ごっこ？ふざけんな。
俺のイライラはピークに達していた。
宮「ねぇ、俺も同じだったってどういう意味？」
目「それは…」
渡「別に聞きたくねーし」
渡「ちょっとAと付き合ってたからって、俺らの関係に口出すなよ」
目「図星なんですね」
渡「はあ！？捨てられた分際で偉そうに」
宮「ちょっと翔太」
目「捨てられてなんてない！」
目黒は椅子から勢いよく立ち上がり俺に掴みかかる。
止めようとする涼太より先に俺たちの間に入ったのは、ずっと静かに聞いていたラウだった。
ラ「はい、そこまで」
目「離せ」
ラ「ごめん無理。店で暴れないで」
目「…」
ラ「かなり酔ってるみたいだし帰ろ。俺送るから、ね」
そのままラウは抵抗を物ともせず、目黒の肩を抱いて店を出ていった。
深「ラウ頼もしくなったねぇ」
宮「ほんとに。翔太、大丈夫？」
渡「ん、大丈夫」
2人が出ていった店内はしんと静まりかえる。
その静寂を破ったのは涼太。
宮「明日って朝イチから？」
渡「いや、午後から」
宮「じゃあもう遅いし泊まってく？」
深「俺泊まる〜。翔太も強制ね」
渡「…わかった」
宮「久しぶりの男子会だ」
なんとなく1人になりたい気分だったけど、辰哉にがっちりと腕を掴まれ断る余地はなかった。
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寝る準備を終え、3人でベットに寝転ぶ。
深「3人だと広く感じるね〜」
渡「いつも4人だしな」
宮「この並びだと辰哉の餌食になるのは…」
渡「俺！？まじ無理なんだけど」
深「餌食ってひどくない？みんなそんな風に思ってたの」
渡「恐らくAも」
俺がそう言うと、ベッドの右端で丸まり不貞腐れてしまった辰哉。「おやすみ」と言っても返事が無い。
渡「…からかいすぎた？」
宮「んー起きたらケロッとしてるでしょ」
渡「言えてる。涼太おやすみ」
宮「おやすみ」
翌朝、俺はなんだか苦しくて目が覚めた。
渡「！？」
右端にいたはずの辰哉にしっかり抱き枕にされている。
…ほんと憎めないやつ。
宮「ふふっ辰哉の抱き枕も悪くないよね」
渡「そうか？」
宮「昨日の件はさ、また3人でゆっくり話そうよ」
渡「だな。洗面所借りるわ」
俺は辰哉の腕から抜け、寝室を後にした。
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作者名：あんこ | 作成日時：2023年11月4日 15時
