108 ラウside ページ10
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ラウside
目「…どこまでついてくるんですか」
ラ「んー。お家まで？」
目「はあ！？」
ラ「だってこんなふらふらじゃ危ないでしょ」
半ば強引に目黒くんを店の外に連れ出した。
あのままだったらヒートアップしてただろうし、3人にはじっくり話し合ってほしかったから。
目「ていうか、あなた誰ですか」
ラ「自己紹介まだだったね。俺はラウール。21歳！」
目「21！？かなり年下だった…」
色々な話をしていると、あっという間にアパートに到着したらしい。お兄ちゃんの店から近すぎる。
目「ここで大丈夫」
そう言って俺から離れた途端ふらつく目黒くん。
ラ「ほらね。部屋までついてくよ」
目「いいって」
ラ「だーめ。こけて浴衣汚したらどうするの」
目「それはまずい」
そこからは素直に部屋まで案内してくれて、彼が着替えている間に浴衣がしわにならないようハンガーにかける。
目「ありがとう。おかげで酔いもさめてきた」
「よかったら」と麦茶を出しつつ3人との関係を聞かれたので正直に答えた。
ラ「宮舘涼太の弟だよ。父親は違うけどね」
目「異父兄弟…ってこと？」
ラ「そういうこと」
異父兄弟と伝えると、急に可哀想な目で見られるようになる事も少なくない。きっと彼もそうだろうと思っていた。しかし実際は違った。
目「宮舘さんってかっこいいよね」
ラ「え？」
目「俺が店の前で困ってたらスマートに助けてくれてさ。かっけーってなった」
ラ「そうだよ！お兄ちゃんはかっこいいの！優しくて、料理もうまくて…」
突然の褒め言葉に嬉しくなった俺は、兄の良い所をたくさん挙げていった。すると目黒さんからストップがかかる。
目「兄貴の事が好きなのはよーくわかった。でも勘違いしないで。俺は好きなわけじゃないから」
ラ「…そっか。好きになってとは言わないけど、できれば嫌わないでほしい」
目「無理。Aの近くにいる男なんて大嫌い」
ラ「ははっ何それヤキモチ？という事は俺も？」
目「うん。だからそれ飲んだら早く帰って」
ええー。急に塩対応になるじゃん。面白い人。
もしかして、こっちの正直な感じが素なのかな？
彼の事がもっともっと知りたくなってしまった。
ラ「俺、目黒くんと仲良くなりたい！」
目「話聞いてた？君のこと嫌いって言ったよね？」
ラ「君じゃなくてラウ！俺も蓮くんって呼ぶから」
目「こわっ。距離の詰め方おかしーでしょ」
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作者名：あんこ | 作成日時：2023年11月4日 15時
