My Destiny IV

164 渡辺side ページ17

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渡辺side



Aもうしばらくお待ちください


しばらくっていつまで？
俺が"待て"苦手な事、よーく知ってるよね？


このメッセージが来てからモヤモヤしっぱなし。


就業後の今も美容院の裏でメッセージを見ている。



桃「渡辺さんって…重症ですね」



ん？突然の桃瀬さんの言葉に理解が追い付かない。



桃「先週からAさんのメッセージばっか見てます」



まさか見られていたとは。



桃「私でよければ…話聞かせてください」


渡「心配してくれるんだ？」


桃「ち、違います！このままじゃ仕事に支障が出そうだからで」



そう言って俺の隣に座る桃瀬さん。
女子の話も聞きたかったから丁度いいかも。


とりあえず、近況を説明した。



桃「おおっ、ちゃんと言葉で言えたんですね。偉い！」


渡「ちょー初歩的なことで褒められる俺って…」


桃「いやいや大きな一歩です。素晴らしい！」



まー褒められるのは嫌な気はしないな。



桃「で、Aさんの意味深な発言にモヤモヤしてると」


渡「そーゆーこと」



頷きながら聞いてくれる彼女に、1番気になってることを聞いてみた。



渡「もう1回聞いてもいいかな」



俺のその言葉を聞き「だめ！」と即答する桃瀬さん。



渡「でも…待つの嫌いだし」


桃「そんなの知りませんよ。急かすのは絶対だめです」


渡「えー…」


桃「来る者拒まずの渡辺さんとは違うんです」



わー辛辣。でも否定できないのが痛い。



桃「もし急かしたりしたら、その時は私がAさんを貰いますからね！」


渡「いや、いつからそんな好きになった？(笑)」


桃「初めて会った時、渡辺さんと話すAさんがめちゃくちゃ可愛かったんですよね」


渡「そう、なの？」


桃「それに気づかないなんて、まだまだですね〜」



だってAはいつでも可愛いし。
でも傍から見たら、そう見えてるの？わ、ニヤける。



桃「やめてくださいニヤけるの」


渡「…すみません」


桃「とにかく！気長に待ちましょ！大人の余裕です！」



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桃瀬さんに話を聞いてもらって、心のモヤモヤが少し晴れた気がする。



考えてみれば、時間がかかるなんて当たり前じゃん。
ずっと一緒にいる幼馴染から告白されてんだもん。



しかもAの性格上、適当に答えを出すなんて絶対しない。そんな事わかりきってるはずなのに。



渡「大人の余裕、ね……ふは」



今の俺には似合わなさ過ぎて、笑ってしまった。




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