My Destiny IV

＊文化祭・当日＊ ページ33

・




渡「お前、ふざけてんの？」


『申し訳ございません…』


渡「いいから早く顔洗ってこい」



昨日の甘い空気からの落差がすごい。


それもそのはず。
私はアラームの時間を間違えるという大失態を犯してしまったのだ。



渡「後ろをやってる間にメイク進めて」



言われた通りにメイクをするが、髪を触る翔太が気になって仕方ない。


だって昨日の今日だもの。思い出しちゃうよ。



渡「あんま見られるとやりづらい」


『ご、ごめん！つい…』


渡「俺だって本当は…いや、今は目の前の事に集中！」


『はい！集中します！』



・



『ありがとうございました！助かりました』


渡「ひとまず間に合ってよかったな」


『翔太様様だよ〜〜』



彼のスピーディーなヘア＆着付けのおかげで、時間までに学校へ到着する事ができた。


お礼を言って車から降りると、先に外の準備を始めていた2人がこちらに気づく。



岩「A先生ー！おはようございまーす！」


阿「渡辺さんもおはようございます」


渡「おはようございます。聞いてくださいコイツ…」


『ちょっと！？』



今朝の出来事を2人に話した彼は「またあとで来ます」と上機嫌で帰っていった。



『お恥ずかしい…』


阿「そういう時もありますよ」


岩「俺なんてしょっちゅう妻に怒られてます」



優しくフォローしてくれる2人には感謝しかない。



岩「それにしても、A先生の話する渡辺さん良い顔しますよね」


『そう、ですか？』


阿「分かります。嬉しくて仕方ない感じ」



気にした事なかったけど、周りからそんな風に見えてるんだ…。



・



向「あ！Aちゃん来たで〜！」


佐「おお…女神降臨…」


女生徒「先生可愛い〜〜〜♡」



教室に入った瞬間、私を取り囲む生徒たち。



女生徒「やっぱり私も浴衣着たかったな〜」


向「いやいや、俺らにはこれがあるやん！」



向井くんが元気よく掲げるのは"2B"と入ったはっぴ。
みんなで考えたデザインがとても可愛い。


着るのが簡単な物であれば生徒も可という事で、私以外はこれを着る事になったのだ。



佐「どうAちゃん、似合う？」


向「俺の方が似合うよなあ？」



嬉しそうにはっぴを着た2人は、教室でファッションショーを始めてしまった。



『どっちもよく似合って…』



＼キャーーーーーーーー！／



向「な、なんや！？」


佐「事件！？A組の方から聞こえたぞっ」



阿部先生のクラス…もしかして！



・

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す