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自覚してからというもの頭の中は翔太の事ばかり。
少しだけ金曜日になるのが怖い。
今までどんな風に接してたっけ?
涼太はああ言ってくれたけど、本当に大丈夫かな。
辰哉にも…ちゃんと言わなきゃ。
うーん、考える事いっぱいだ。
〜♪
珍しく涼太からの着信。
空き教室に移動して、通話ボタンを押す。
"もしもし"
宮"ごめんね。今って大丈夫?"
"お昼休みだから大丈夫だよ。どうしたの?"
話を聞くと、風邪でダウンしている翔太から買ってきてほしい物リストが送られてきたが、貸し切りの予約が入っていて動けないらしい。
"定休日なのに予約が…"
宮"お得意様だから断れなくて。辰哉にも聞いたんだけど、接待が入ってるって言われちゃった"
なるほど。だから私に頼みたいという事ね。
特に予定はないけど、気持ち的に会いづらいというか。
しかし、そんな理由で断れるわけないのです。
宮"ありがとう。リスト転送するのでお願いします"
"りょーかい。お仕事頑張って"
宮"Aもね"
電話を終えてすぐに転送されてきたメッセージ。
たくさん書かれており、思わず「うわ」と声が漏れた。
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大量の買い物を済ませ、そのままの勢いで部屋のインターホンを押したのだが…。
あれ。急に緊張してきた。
少し顔見て、荷物渡して帰ろう。うん。
そう思っていたはずなのに、彼の姿を見たらそうはいかなかった。
ガチャ
渡「ありがと涼太…っ!!……さよなら」
私の顔を見た瞬間、翔太は扉を閉めようとする。
まったく意味が分からない。
それより、なんでタンクトップなの?
咄嗟にドアノブを掴み引っ張る。
渡「離せよ。てか何でお前がいんの」
『涼太に頼まれたからだよ。てか入れてよ』
渡「無理。絶対に無理」
閉めたい翔太と開けたい私の戦いはしばらく続いた。
このままじゃ埒が明かないので、可哀想だけどあの作戦を実行するしかない。
渡「まじで帰って。おねがい」
『…わかった。買ってきたものはドアノブにかけとくね。お大事に』
そう伝えた私は扉を閉め、部屋からの死角に座り込む。
数分後、静かに開いた扉をガッと掴めば「うわっ!」と驚く翔太。
『いーれーてー♡』
渡「やべーなお前」
ものすごく嫌々だけど、ようやく部屋に入れてくれた。
何やらぶつぶつ言う彼に脱ぎ捨てられていたトレーナーを着せ、広々としたベッドに寝かせる。
渡「…こっち見んじゃねーぞ」
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あんこ(プロフ) - 理科さん» こちらこそ本当にありがとうございました!面白いと言っていただけて良かったです。慣れない執筆でしたが、読んでくださる方々のおかげで書き切る事が出来ました(*^^*)ぜひまた読み返してあげてください♡♡ (2月23日 10時) (レス) id: e42437901a (このIDを非表示/違反報告)
理科(プロフ) - 私の毎日の楽しみが終わってしまったけど、ほんと面白かったです!ありがとうございます♡そして、お疲れ様でした!仕事の休憩中にニヤニヤしながら読んだリしてました☺︎︎また全部通して読んで幸せ気分になりたいと思います♡ (2月22日 22時) (レス) id: aa7fd4008a (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 理科さん» もしかして、書き始めた頃にもコメントいただきましたか!?そこから読んでいただけてるの嬉しすぎます(>_<)新作も読んでいただきありがとうございます★緑さんもめちゃくちゃ良かったですよね…リアル感もあって!笑顔が眩しい…。私も旦那に呆れられてます(笑) (2月18日 8時) (レス) id: e42437901a (このIDを非表示/違反報告)
理科(プロフ) - すっごい面白いです!もうすぐ終わっちゃうの、寂しいなぁ。新作も楽しんでます♡余談ですが、私は💚ちゃん推しなので、ドライブしたいです。💚好きすぎて、息子に呆れられてます。 (2月17日 22時) (レス) @page48 id: aa7fd4008a (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - SnowManLOVEさん» はじめまして。コメントありがとうございます!スノさんは全員が魅力的ですよね(^^)★続きが見たいと言っていただけて嬉しいです。更新頑張ります! (2月1日 13時) (レス) id: 3da351ad37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんこ | 作成日時:2023年12月26日 21時