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や、やばい……
ドキドキしすぎて心臓壊れそう。
約束の10分前。
何回も鏡で自分の姿を確認する。
彼の隣に並んでも恥ずかしくないよう、精一杯のオシャレをしてみた。
こんなデート何年ぶりだろうか。
目「…Aちゃん?」
『め、目黒くん!おは……』
ま、まままま、眩しすぎる……
スーツ姿もかっこいいけど、私服の破壊力よ。
私がオシャレした所で到底釣り合わない。
『かっこ、いいね』
目「ありがと。Aちゃんも可愛い」
…そういう事を簡単に言わないで。
隣に並ぶ資格をもらえた気になってしまうから。
目「では」
『………、!!?』
あまりに自然だったので理解するのに時間がかかった。
目「この方がデートっぽいでしょ」
『だめだよ、誰かに見られたら…』
目「……もー」
不服そうではあったが、絡まっていた指先はあっさりと離れる。
安心したような、少し寂しいような。
これで良い。私たちには、これで。
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『うわ〜混んでるね』
目「テレビでも紹介されてたよ」
駅直結ビルの最上階にあるプラネタリウムは大人気。
どうか…知り合いに遭遇しませんように。
目「もう入れるみたい。行こ」
『うん…あれ、チケットって』
目「買ってある。2人で1枚なの」
2人で1枚?
いやいや、まさかね…。
『ここに寝転ぶの?』
目「うん。おいで」
そのまさかでした。
彼が寝転んでいるのはオシャレな形のペアシート。
こんなの…星を見ている場合じゃないんですよ。
だって星よりも隣のあなたの方が私には眩しい。
目「こっち見すぎ」
上映が終わり、肘をついて私を見る目黒くん。
『…ごめんなさい』
目「ふは。Aちゃんなら、いーよ」
ふわりと優しい笑顔で頭を撫でられ、また好きが募る。
今だけは、私が彼女なのだと錯覚してしまいそう。
目「ご飯食べたらさ…ホテル行ってみる?」
『え?』
目「いつも家ばっかだし気分転換」
「ね?」と首を傾げられたら、私は頷く事しか出来ない。
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目「何食べたい?Aちゃん」
『その前に、手を…』
目「いーじゃん。誰もいないって」
またも自然に絡められてしまった指先。
しかも今度は離してくれないらしい。
____ この時、無理やりにでも振りほどくべきだった。
_________ いや、そうした所でもう遅すぎたのだ。
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あんこ(プロフ) - 愛結さん» コメントありがとうございます(o^^o)叫びそうにまでなっていただけたとは!最高の褒め言葉です。私が書くとどうしても阿部様になってしまいがちです…そんな彼が素敵なので。引き続きよろしくお願いします★ (4月25日 20時) (レス) id: e8d67e08c2 (このIDを非表示/違反報告)
愛結(プロフ) - 阿部様書いてくださってありがとうございます。仕事休憩中に叫びそうになりました. (4月25日 13時) (レス) @page32 id: 6e8b454d13 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - みぃ〜さん» 初めまして。コメントありがとうございます★同士の方いらっしゃって嬉しすぎます(*^_^*)もう少し出せたらと思ってますので楽しみにしていてください♪引き続きよろしくお願いします! (3月21日 8時) (レス) @page37 id: 69aa8b4767 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ〜(プロフ) - 初めまして。橙さんの相棒はあの人しかいないですね!私、同士です!この作品に出てきたことがなんか嬉しかったです☆色々とお忙しいと思いますが、マイペースに更新頑張ってください!楽しみにしてます♡ (3月21日 0時) (レス) @page37 id: db78e452a1 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます★私の趣味全開の小説にそう言っていただけると励みになります(o^^o)しかも私の心配までありがとうございます…!無理せず頑張ります!今後ともよろしくお願いします♡ (3月16日 8時) (レス) id: 69aa8b4767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんこ | 作成日時:2024年2月11日 21時