深澤先輩に監視されてます

15 深澤side ページ15

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深澤side




ねっむい。



来月に迫った社員旅行。



なぜか俺は総務部の代表に任命されてしまった。



毎週月曜日に打ち合わせがあるのだが、朝早すぎる。



まあ外回りがある人もいるから仕方ないか。




阿「今から打ち合わせを始めます」




毎回のごとく仕切ってくれるのは営業部の阿部。



いやいや、なんで朝からそんなに爽やかなのよ。



さすが常に営業成績トップは違うね。



ちなみに2位は目黒。なんか気に食わない。



知ってる？彼が爽やかに悪い事してるの。




阿「深澤さんも大丈夫ですか？」


深「えっ、あ、はい！」


阿「では早いですが今日はこれで終わります」




…全然聞いてなかった。



みんなが戻っていく中、残っていた阿部に近寄る。




深「ごめんなさい、最後のほう聞いてませんでした」


阿「そんな気がしてました」




そう言って微笑んだ彼は、ノートを見せてくれた。



進行もしながらノートも完璧。すごすぎる。




阿「来週は追加メンバー連れてきてくださいね」


深「追加メンバー？」




次からは決める事が多くなるので、各部署2人ずつ追加で連れてくる事になったらしい。




深「りょーかい。ありがと」


阿「お疲れ様です」




かなり早く終わったし、コーヒーでも飲もうかな。



そう思い休憩室に向かうと奥の方で寝てる人がいた。



…岩本さん？



ちょうどいいや。



起きたら追加メンバーになってくれるか聞いてみよ。



そんな軽い気持ちで隣に座ったのに、目覚めた彼女の顔を見たら別のことが気になってしまった。





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深「…まじか」


『すみません。朝からこんな…』




彼女の話を一通り聞かせてもらった。



想像を絶する悪行に驚きが隠せない。




深「ううん。辛いこと思い出させてごめんね」


『いえ、もう大丈夫です！昨日泣きまくったので』




なるほど。



彼女の目が少しだけ腫れてる気がした原因はそれか。



…どうしよう。無性に腹が立ってきた。



こうなったら徹底的に彼女の事を守りたい。



でも、その前にひとつだけ確認がある。




深「未練は無い？」


『え…なんで、』


深「またまた先輩の勘です」




関わりを断ちたいと本気で思っているなら、連絡先だって速攻ブロックするはず。



それが出来ないってことは




『…ほんと、バカですよね』




遠くを見つめたまま、小さく呟いた彼女。



ひどい事をされてもなお未練が…



目黒という男、怖い。



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