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目「よし、いい子。水持ってくるね」
隣に座った事に満足したのか、私の頭をぽんとし水を取りに行った目黒くん。
なんか、なんか、慣れてるな。当然だけど。
目「はい、どーぞ」
『ありがとう、ございます』
目「ね、なんで敬語なの?俺らタメでしょ」
だって好きな人がこんな近くにいて、緊張しないわけないよね?しかも、一応ふたりきりだし…
目「まあいいや。で、どこまで覚えてる?」
『え、と。お酒飲んだところまで』
目「そこから記憶なし?」
『…はい』
目「なるほど。相当弱いんだね、可愛い」
可愛いとかさ、サラッと言うのやめてほしい。
こっちはドキドキで心臓爆発しそうなんです。
目「簡単に言うと、泥酔してる岩本さんをお持ち帰りしようとしたら康二に邪魔されたって感じ」
……この人は何を言ってるの?
ていうか、ほんとに目黒くん?
あのキラキラ爽やかな目黒くんで合ってますか?
目「おーい、聞いてる?」
『聞いてます、が、冗談ですよね…』
目「本気だけど」
そう言った彼は、ぐいっと顔を近づけてくる。
危険な香りがぷんぷんするこの状況で、顔が綺麗とか思っちゃうあたり私はかなり重症なのかも。
目「岩本さん、俺のこと好きでしょ?」
ええ、好きだよ、好きだけども、それ自分で言う?
目「好きなら良いじゃん。しかも、さっき服確認してたよね。それってこういう事を期待してたんじゃないの?」
『そんなわけっ……ちょ!』
気づいたら腰に回されている腕。
色んなところが彼とくっ付いていて気が気じゃない。
『やめて、』
目「なんで?俺とするの、いや?」
『嫌というか……目黒くんには彼女が』
目「だから?」
だから?だからって?
彼女がいるのに、他の人とこういう事したらダメなんじゃないの?
元彼に浮気された事がある身としては…いや待って。
今の今まで自分が本命だったと思ってたけど、もしかして私が浮気相手だった…?
よくよく考えたら恋人っぽい事してない。誕生日すら覚えてもらえてなかったし。
目「バレなきゃいーじゃん」
ああ、元彼もこんなふうに思ってたんだろうな。
私にはそんな価値しかないのかな。
……もうどうにでもなれ。
どうせ1回身体を重ねて捨てられるんだ。
きっと彼にはこういう相手が山のように居るのだろうし。
この時の私は自暴自棄になっていた。
まさかこんな関係が1年以上続くとも知らずに。
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あんこ(プロフ) - 愛結さん» コメントありがとうございます(o^^o)叫びそうにまでなっていただけたとは!最高の褒め言葉です。私が書くとどうしても阿部様になってしまいがちです…そんな彼が素敵なので。引き続きよろしくお願いします★ (4月25日 20時) (レス) id: e8d67e08c2 (このIDを非表示/違反報告)
愛結(プロフ) - 阿部様書いてくださってありがとうございます。仕事休憩中に叫びそうになりました. (4月25日 13時) (レス) @page32 id: 6e8b454d13 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - みぃ〜さん» 初めまして。コメントありがとうございます★同士の方いらっしゃって嬉しすぎます(*^_^*)もう少し出せたらと思ってますので楽しみにしていてください♪引き続きよろしくお願いします! (3月21日 8時) (レス) @page37 id: 69aa8b4767 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ〜(プロフ) - 初めまして。橙さんの相棒はあの人しかいないですね!私、同士です!この作品に出てきたことがなんか嬉しかったです☆色々とお忙しいと思いますが、マイペースに更新頑張ってください!楽しみにしてます♡ (3月21日 0時) (レス) @page37 id: db78e452a1 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます★私の趣味全開の小説にそう言っていただけると励みになります(o^^o)しかも私の心配までありがとうございます…!無理せず頑張ります!今後ともよろしくお願いします♡ (3月16日 8時) (レス) id: 69aa8b4767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんこ | 作成日時:2024年2月11日 21時