深澤先輩に監視されてます

28 深澤side ページ28

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深澤side




何も無い日は、帰宅したらまずシャワーを浴びる。



そのあと適当にご飯食べて、ゲームしてがルーティン。



今日もいつも通り過ごす予定だった。



プルル…



シャワーから出るとスマホが鳴っており、相手は照。



この時間はまだ仕事中のはずなのに。




深"もしもーし"


岩"ふっか、今何してる？"


深"今からご飯食べてゲームを…"


岩"よかった。今すぐジム来て"


深"…よかった？"




照からの依頼は、妹を家に送り届けてほしいとの事。



シャワー出たばかりなのに…と思わないでもないが、不審者が心配な気持ちもわかるし快諾した。



プルル…



家を出てしばらく経った頃、今度は妹から着信が入る。



なんだろう。早くして、かな。




深"ごめん、あと少しで"


"……"


深"…岩本さん？"




何度か声をかけても返答は無い。



その代わり、かすかに話し声が聞こえた。




"彼氏になってやろーか"

"…今のお前なら正式な彼女にしてやってもいーよ"




話している相手はなんとなく予想出来る。



なぜ彼女と一緒にいるのかという疑問は置いといて、無性に腹が立った俺はとにかく急いだ。





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"本心だよ"なんて、言う必要あった？



案の定、困ったように俯いてしまった彼女。



演技という事にしておけば良かったのに、なぜかそう思われたままでいたくなかった。



だって、俺は彼女の良い所たくさん知ってるから。




深「それにしても、想像以上にクソだね」




やば。つい本音がポロリと出てしまった。



それを聞き目を丸くする彼女に謝ろうとするが……




『甘いですよ、深澤さん』


深「え？」


『想像を絶するクソです』


深「お、おお、言うね〜〜」


『今日だけ許してください』




かなり溜まっていたらしく、次々に愚痴が飛び出す。



普段あまりそういう事を言わない彼女が、俺に沢山話してくれた事が素直に嬉しかった。




『着きました』


ぐううう




アパートに着くのと、俺のお腹が鳴ったのはほぼ同時。



そういえばご飯食べ損ねてた…




『あの、良かったら家で食べていきますか？』


深「！！」


『お礼も兼ねて。大したものは作れませんが』




「私も食べるので」と言われても、さすがに一人暮らしの家にホイホイ上がるわけには…




深「ありがと、気持ちだけもらっとく」




誰にでも言うわけじゃないと信じたいけど。



この隙の多さは、まだまだ見守る必要がありそうだな。




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