38 向井side ページ38
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向井side
向「さらにかっこよくなって…」
友「スーツ似合わんなあ…」
社会人になって4年目。
夢を叶え美容師になった彼と6年ぶりの再会の日。
お互いの第一声が冒頭の言葉なんやけど、
向「他に言うこと無いん!?」
友「ごめんごめん。あのウジウジ康二が、スーツ着て営業しとるのが信じられんくて」
笑うと幼くなる所、昔のまま。
友「彼女とはどうなったん?」
ワインに口を付けた彼は、俺にそう問いかけた。
向「…どうもなってへんよ」
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またベンチで会うようになった俺ら。
でも、彼女が前みたいに笑う事はなかった。
名前で呼んでくれたのもあれが最初で最後。
この数か月で何があったのか。
理由は分からんけど、告白しとる場合やない事は何となく分かった。
今は自分の気持ちを押し付けるより、彼女の笑顔を取り戻すのが最優先。
__そう思っとるうちに俺らは社会人になった。
迎えた入社式。
『向井くんがいてくれて心強いよ』
そう言った彼女は、出会った時と同じ笑顔を俺に向けてくれる。
良かった。またこの笑顔を見る事が出来て。
良かった。お前じゃ入れないと言われても諦めんくて。
努力を重ねてようやくここまで来れた。
そろそろ、Aに俺の気持ちを__
?「えーっと…ココか」
そう呟いて俺の隣に座った男。
整った横顔に思わず釘付けになる。
視線に気づいたのか、彼はこちらを向いて微笑んだ。
「目黒です」と名乗った彼に名乗り返し、彼女の方を見たらリンゴみたいに真っ赤になっとった。
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友「…で、4年経ったと」
向「いえす」
友「根はウジウジのままって事ね」
だって、向こうに好きな人がおると分かってて告白するのは…
友「俺が口出すことやないけど…後悔せん?頑張ったんやろ?」
向「…、」
友「もっと自信持つべき」
向「え?」
友「今の康二かっこええよ。昔の何倍もな」
「こんな事いうつもりやなかったのに」と白い肌を真っ赤に染める彼。
まさか、そんな風に思ってくれとったなんて。
友「次の目標はトップ」
向「トップ!?」
友「もしなれたら、嫌でも自信つくやろ」
考えたことも無かった。
誰かと競うとか苦手やし。
でも…
彼の言う通り、自信をつけるには最適かもしれん。
目黒より先に俺がなってみせる。
そんで__今度こそ伝えるんや。
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あんこ(プロフ) - 愛結さん» コメントありがとうございます(o^^o)叫びそうにまでなっていただけたとは!最高の褒め言葉です。私が書くとどうしても阿部様になってしまいがちです…そんな彼が素敵なので。引き続きよろしくお願いします★ (4月25日 20時) (レス) id: e8d67e08c2 (このIDを非表示/違反報告)
愛結(プロフ) - 阿部様書いてくださってありがとうございます。仕事休憩中に叫びそうになりました. (4月25日 13時) (レス) @page32 id: 6e8b454d13 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - みぃ〜さん» 初めまして。コメントありがとうございます★同士の方いらっしゃって嬉しすぎます(*^_^*)もう少し出せたらと思ってますので楽しみにしていてください♪引き続きよろしくお願いします! (3月21日 8時) (レス) @page37 id: 69aa8b4767 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ〜(プロフ) - 初めまして。橙さんの相棒はあの人しかいないですね!私、同士です!この作品に出てきたことがなんか嬉しかったです☆色々とお忙しいと思いますが、マイペースに更新頑張ってください!楽しみにしてます♡ (3月21日 0時) (レス) @page37 id: db78e452a1 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます★私の趣味全開の小説にそう言っていただけると励みになります(o^^o)しかも私の心配までありがとうございます…!無理せず頑張ります!今後ともよろしくお願いします♡ (3月16日 8時) (レス) id: 69aa8b4767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんこ | 作成日時:2024年2月11日 21時