深澤先輩に監視されてます

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約束の木曜日。



今日でジムを卒業する。



今回も短かったなー。料理教室もすぐやめたし。



もっと頑張りたかったけど、彼が不要と言うなら意味ないもんね。




深「あれ、今日ジムじゃなかった？」


『そうですけど…私、言いましたっけ』


深「あ、あー照から聞いたの！」




もー深澤さんには何でも話しちゃうんだから。




向「Aおまたせ〜！」


『お疲れ。深澤さん、お先に失礼します』


深「お疲れさま。照によろしく」




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『思ったより早かったね』


向「今日は目黒もデートとか言って早く帰ってったんよ。だからその流れでな」


『…そうなんだ』




向井くんの言葉に胸がチクリと痛む。



彼がデートをする話なんて聞き慣れてるはずなのに。




ジムの中に入ると、受付にいる私の憧れの人。




『宮舘さん！』


宮「こんばんは。Aちゃんと…彼がお試しの？」


向「向井です！よろしくお願いします！」




宮舘さんは兄のジムで働くトレーナー。



年齢は兄と同じだが、既に結婚しており1児のパパ。



かっこよくて、優しくて、料理も得意らしい。素敵。




宮「入館証とチケット確認するね」


『はーい…あれ、スマホ…』




ジムの入館証はスマホのアプリに登録されており、スマホを探すが見当たらない。



まずい、会社の引き出しに忘れてきてしまった…




向「スマホないん？」


『…会社に忘れたみたい』


宮「あらら。ちょっと照に聞いてみるね」




そう言った彼は奥に入って行った。




向「その照って人がAのお兄さん？」


『うん。見た目は厳ついけど』


岩「誰が厳ついって？」




説明するより先に、ご本人が不機嫌そうに現れた。




『お兄ちゃん…顔が怖い…』


岩「Aのせいだよ。理由も言わずジムやめるって言うし、まさかラストに男連れ」


宮「やめな照。会員さん驚いてるから」


岩「ごめん…でもさ、男連れてくるなんてひどいと思わない？」


宮「うんうん、そうだね」




小言を言う兄をうまく宥め、私たちに「着替えておいで」と言った宮舘さん。




『…行こっか』


向「お兄さん…強烈やなあ」




ごめんね…あれが通常運転なんです…




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岩「本当にやめるの？」


『うん』


岩「本当の本当に？」


『…しつこい』


岩「舘さん…Aが冷たい…」


宮「よしよし。2人とも帰り気を付けてね」


向「はーい」




______ 会社



目黒今から家来れる?



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